ここで書くことは?
日本実業出版社から出版されている、"Google流 資料作成術"を読んだので、自分が気をつけておく点をまとめておく。
コンテキスト(文脈,背景)を理解する
心持ち
- 説明的分析を見せる場面で探索的分析を見せてはいけない。
- 100パターン(失敗98パターン)のときに100パターン全部見せるのはNG
- 相手が知りたい2パターンだけ具体的に丁寧に説明する
- 誰に何を伝えるか
- 考えて資料を作っていると思うが、一般化したターゲット設定はやめるべき
- 興味を持っているすべての人とか、利害関係者とかはNG
- 相手との関係性を考える。
- まずは相手の信用信頼を勝ち取るほうが先だったりする
- 相手に何をしてほしいか
- 意外と見落としがち
- データを示しておしまいにならないように
- 考えて資料を作っていると思うが、一般化したターゲット設定はやめるべき
- プレゼンの練習
- 各スライドの重要なポイントを書き出す
- 声に出して言いたいことを言う練習、とくにつまずきがちなスライドの移行部分の説明に慣れておくように
- 周りに人にプレゼンを聞いてもらう
以上のことは,誰に→何を→どのようにの順番で決めるのが良いだろう。
資料を作り始めるまえに
予めこれを作っておくと、後々時間の節約になる
表現を選ぶ
- 表はプレゼンには向いていない
- 他の表現方法を探るべき
- 使うとしても罫線などの装飾は最低限に(数字より目立たせるべきではない)
- ヒートマップと相性◎(ただし色の濃淡だけで表現すべき)
- 横棒グラフは便利
- 縦棒グラフよりも人間にとって読みやすい(視線をZで移動させるだけで読める)
- カテゴリカルなものを表すときは便利
- ただし時系列データの場合は折れ線グラフのほうが良い(時系列が二点だけならば、スロープグラフ)
- これらは絶対に使うな
- 3Dグラフ
- 円グラフ、ドーナツグラフ
- 横棒グラフに変更すべき
- 第二縦軸は使わない
- 直接を数値のラベルをデータにつけるか、縦軸を2つに分けるべし
とはいえ、「相手がもっとも読みやすいもの」を意識して図は作るべし
不必要な要素を取り除く
意識すべきは「認知的負荷」(ぐちゃぐちゃしたもの)を最小限に抑えること。 不必要なものを取り除き、整列させ、ホワイトスペースを残すことで見やすく理解しやすいものになる。
例えばエクセルのデフォルトの折れ線グラフを見やすいものに変更することを考える。
- グラフの囲いをとる
- グラフ内のグリッド線もいらない
- データ点のマーカーを削除する(でも理系の場合はまずいと思った)
- 軸のtickを適切なものに。表示する数字の桁数も適切なものに
- 凡例は折れ線に直接つける(凡例をいちいち見に行くのは面倒)
- 凡例の色を折れ線の色と同色に
他にもP81と、P87に素晴らしい具体例が載っていたので暗記するほど眺めること(ブログではお見せできないので申し訳ありません)
見てほしいところに注意を引きつける
図を使ってデータのストーリーを伝えるには、色を使って見てほしいところがひと目で分かるようにすれば良い。色を付けるのは図だけではなく文章にも有効。
何もしないと人はZの順番に目を通し始める。この順番を変えたいならうまく色を使う。
どうやってうまく色を使った図を作ればよいか
- 一度全部グレーにしてしまう
- 注目してほしい系列のデータに色をつけ目立たせる
- 更に注目してほしい箇所には色の濃淡を変えたり、ラベルをわざと降ることで目立たせる
目立ったところの解釈を書き加える
色はスライド全体で統一したほうがいい
- 色覚障害に配慮する
- 赤と緑は一緒に使わないほうがいい
- 青とオレンジは相性◎
- グレーとアクセントカラー(本の筆者は青)をベースに進めると良いだろう
- 周囲の人に見せて、「まずどこを見た?」と尋ねる
図を見たときに、「だから何?」となるような図はだめ。ちゃんと、図だけでどこのデータに注目してほしいのかわかるものにすること。また注釈などで、データの主張をわかるようにしておくといい。
ストーリーを伝える
図を改善することで、聴衆の興味を得ることができる。それはストーリーにも言えて、図と同じぐらい大切である。プレゼンが事実の羅列では面白くない。プレゼンにも魅力的なストーリーがあると、聴衆の記憶から忘れ去られないものなる。
ストーリーは三幕構成で
始まり
まずは設定を伝えてコンテキスト(文脈)を構築する。以下のことをまずざっくりと伝えるのがよいだろう。
- 設定:いつどこでこのストーリーが起きるのか
- 主人公:誰が行動の主体か
- アンバランス:何が変わってしまったのか、なぜそれが必要なのか
- バランス:何が起きてほしいのか
- 解決策:どのように主人公が動いてほしいのか、それがどのように変化をもたらすのか
特にバランスとアンバランスが重要で、提起したい問題と解決策を持ってくると良い。伝えるときも、ドラマチックな緊張感を織り交ぜて伝えないと、聴衆を巻き込めない。
中間
相手の可能性、行動の必要性を説明する。始まりで提示した問題を主人公(相手)がどう行動したら解決できるのかを見せると注意を引き付けられる。
状況によって多種多様な発展のさせかたがある。どうやって相手の行動の必要性を解くかは常に相手のことを最優先に考えると良い
- 相手は何と共鳴するか
- 相手は何で動機づけされるか
相手を動機づけるものを見つけてから、それに合わせてストーリーを組み立てると良い。そのストーリーを強化するのがデータである。
終わり
何をしてもらいたいか「行動」を呼びかける。ストーリーの結末として、もう一度主人公(相手)に行動を呼びかけるのが良い。
ストーリーは繰り返す
ストーリーを三幕構成にして、さらにそれを繰り返して伝えると記憶に定着する。
- 始まり、中間、終わりを要約してたエグゼクティブサマリーを最初に挿入する
- 聴衆が流れをつかめるので、ストーリーにのっとって発表を始める
- 最後では、もう一回、始まり、中間、終わりを要約したものを見せると良い。弊ラボにおけるまとめページみたいなものだ。
自分にとっては冗長に感じると思うが、初めて発表を聞く人にとってはわかりやすい。質問すべき点も三回も聞けば整理されてくる。
逆ストーリーボード
スライドを作り始める前に、ストーリーボード(アウトラインでも)を書いてから、スライドを作り始めるべきである。加えて、スライドを作り終えてからもストーリーボードと良い(これを逆ストーリーボードと呼んでいた。こうすると、資料の順がちゃんとストーリーを伝えるのに適切か、どこを削除してどこを移動したらいいか把握しやすくしてくれる。また最初に見せるアウトラインには逆ストーリーボードのほうがいいだろう。
ケーススタディ
濃い背景色を使う場合
基本的に白背景にすべきだが、フォーマットの都合上、他の色の背景の場合がある。 そういうときは背景の色を基準にして色を変更する。
例えば、黒背景の場合は黒が基準色になる。すると、グレーはあまり目立たなくて、白は非常に目立つ。また色をつける際も同様だ、黄色は黒背景で非常に目立つ。これを活用しよう。
プレゼンの図を配布資料にも使い回すとき
こういう図を作ろうとするとたいていプレゼンには情報が多すぎて、配布資料にとっては情報が少なすぎるものになる。
プレゼンには情報が多すぎる点に関しては、図を差分でだんだんと見せていくことにより、注目してもらいたい部分を調節して発表しよう。
一方、配布資料にするときは、図に要点をさらに書き加えるといいだろう。プレゼンを聞きのがした人のためのフォローアップにもなる。
最後に
良い例は本の筆者のブログ storytellingwithdata.com にあるので参考にすると良いだろう。
逆に悪い例も見るべきだ。それは wtfviz.net にある。