背景
保険には入っておいたほうが良いとは聞くが、商品は膨大で何を保証すべきか、いつ入ればいいのかなど考えることは多い。
本記事では自分のメモの意味合いも含めて、
- 何を保証すべきか?
- いつ入ればいいのか?
を検討していく。
そもそものきっかけは、節税のために行った保険の契約だった。
ちなみに節税のために契約した保険とは、明治安田生命のじぶんの積立という商品である。 詳しくはリンク先を参照していただきたいが、実質ただの貯金である。貯金をしながら一般の生命保険料控除で税金が安くなるという税制の穴を突いたような商品である。
ただ、契約をするには対面で生保レディーの話を聞く必要があり、ここで他の保険にも入ってもらうことが明治安田生命の真の目的である。(この商品だけ買われると多分倒産する)
そういうわけで、「じぶんの積立」だけ入るのも居心地が悪く、ちゃんと保険について検討してみようと思った次第である。 特に男性の60%が一生のうちにがんにかかる、なんて言われると他人事ではすまない。
早速結論
自分の場合は
という結論になった。 以下では、この結論に至った理由を説明していく。
なぜ保証内容と加入タイミングを考えるのか
そもそもなぜ、保証を選ぶのか、加入タイミングを考えるのか? 費用を抑えるためである。 例えば、天然痘による入院を保証するという保険に入る人はいないだろう。天然痘は根絶されたと言われているためかかるリスクは天文的確率だろう。必要な保証内容を選ぶ必要がある。
例えば、老衰による入院を保証する保険に20歳の人が今すぐ入ることはないだろう。いくら保険料が安くても、保険料に含まれる事務手数料(保険会社の運営に当てられる費用)を老人になるまで払い続けるのは大きな損失だ。適切な加入タイミングを考える必要がある。
本記事では保険が必要になる確率をもとに保証内容の選択や加入タイミングを考える。
何を保証すべきか?
生命保険で保証されるのは、主に入院や手術を伴う高額な治療費である。 単発な高額な治療費は、公的な健康保険の高額医療費制度によって自己負担限度額が保証される。そのため、すぐに治るような怪我や病気は生命保険で保証しなくても問題ないだろう、
ここで問題になるのは、長期の入院や通院を伴うような怪我や病気だろう。高額医療費制度があるとはいえ、働けない中で自己負担限度額が毎月発生するのは家計に負担である。(FYI、働けなくなっても組合健保に傷病手当金を要求すれ標準報酬日額の2/3が支給されるので活用しよう。)
よく保証すべきとされるのが三大疾病と言われる病気だ。三大疾病とは、
である。
がんは保証すべきだろう。国立がんセンターによると、男性では生涯における罹患率が65.5%である。平均入院日数は長くないが比較的長期間、薬が処方されることもある。
急性心筋梗塞に関してはこの研究によると、生涯リスクは16.24%程度であることがわかる(正確には45歳男性が死ぬまでに急性心筋梗塞を発病するリスク)。また別の研究によると、心筋梗塞にかかった人のうち半数は心筋梗塞を原因にして死ぬ(男性の場合)。自分の場合入院や通院費に備えたいのであって、その場で死亡する場合は割とどうでもいい。つまり、生涯に渡って保険が必要になる確率は8-9%程度である。
脳卒中に関してはこの研究によると、生涯リスクは18.98%程度であることがわかる(正確には45歳男性が死ぬまでに脳卒中を発病するリスク)。また別の研究によると、脳卒中にかかった人のうち27%は脳卒中を原因にして死ぬ(男性の場合)。つまり生涯に渡って保険が必要になる確率は13%程度である。
ちなみにうつ病の生涯リスクは15%ぐらいである。
自分の場合ならば、生涯リスクが10%を超えている2つ、がん と 脳卒中 の保証を選んで、急性心筋梗塞の保証は選択しないだろう(その分安く済ませたい)。脳卒中は入院期間が長くなる傾向や後遺症も考えて、必要になる確率が13%にも関わらず必要だと感じた。
いつから保険に加入すべきか?
自分の年齢~x歳までに罹患する確率をP(x)と表したときに、自分が許容可能な確率 θ に対してP(x)=θを満たすxが加入すべきタイミングである。
上記のことはグラフにするとわかりやすい。たとえば、がんの場合のP(x)のグラフは以下のようになる。もしあなたが30歳の場合ならば紫色(30歳の凡例)を見れば良い。
もし許容可能な確率が5%ならば、55歳あたりで保険に加入すればよい。もし許容可能な確率が10%ならば63歳ぐらいで加入すれば良い。
上記ではがんについて見たが、脳卒中ではどうだろうか。脳卒中についてグラフにすると以下のようになった。
データが少なく、自分の年齢が45歳の場合以上のデータしかないが、45歳以前の脳卒中になる確率は微々たるものなのだろう(45歳線と55歳線の差が小さいことがからもわかるように)。 このグラフを用いると、許容可能な確率が5%ならば70歳ぐらいで保険に加入すれば良い。もし許容可能な確率が10%ぐらいならば80歳ぐらいで加入すれば良い。
心筋梗塞についてはリスクを許容するとしたが一応似たようなグラフを出すと以下のようになる。
許容可能なリスクが5%だとすると85歳ぐらいに保険に加入するのが良いだろう。うん、死んでますね。
further investigation is required
今回は3大疾病に関して調べる形になったが、入院理由は糖尿病や高血圧なども多いそうだ(医者談)。なかなかデータが集まらなく、これらに特化して備える保険も見つからなかったので今回は調査しなかったが、自分が中年になる前には保険加入の意思決定をするためにも調査を行いたいと考えている。 (感想)
まとめ
保険は不要だと思っていたが、今回の調査を通してがん保険は必要だと感じた。ただお金を節約するためにも加入タイミングはちゃんと考えよう。 (若いうちから入ってると毎月の保険料が安いとよくいうけど毎月発生する事務手数料(正確には付加保険料)を考えると、totalの払込保険料は若いうちから払い続けてるほうが高くなるよ!)